スティルから学ぶ解剖へのガイダンス


メカニックとレーサー


私の施術はどちらかというと


治療者と患者というよりかは、


メカニックとレーサーのような関係に近いのではないかと思います。


スティル(オステオパシー創始者)は「病気」を研究したのではなく、


「人間」を研究しました。


まず「人間」がどういったものかがわからなければ、「病気」がどういったものかはわからないからです。


骨をジッとみつめるスティルの写真は、


オステオパシーをやっている人の中では良く知られるところです。


最初スティルは人間を機械のようなモデルに例え、研究を進めました。


機械には、構造があって、機能があります。


レーシングカーがレースを走り終えると様々に構造的不具合がでてきます。ネジの緩み、フレームのズレ。逃しきれなかった熱や、それによって干あがった油。


それによって、十分なエンジン出力がでず、コントロールが重くなり、望む結果がでない。


エンジニアこれを最初から早く走れるようにエンジンを付け替えたりはしません。

ネジを締め直し、フレームを整え、油をさし、熱を引かせます。


スティルがまず取り組んだのは人の体にある、機械的な側面でした。


機械的なモデルを考えた時、やはり人にもそのような側面が存在したのです。


よくよく人の体を観察すると、この骨は行きにくい方向があるぞとか、この骨よりもこっちの骨の方が硬いぞ、とか。


そこには十分な栄養や水分が行きにくい、それなりの原因がみられました。

あるいは動きを制限させるそれなりの既往歴がありました。


やがて、その概念は拡張し、もっと有機的な存在としてのモデルが構築されます。

ボディー・マインド・スピリット。


そうやってオステオパシーは発展してきました。


僕自身は施術に関しても、リハビリに関して考えるときも同じような感覚を持ちます。


骨や内臓を整え(フレームを整え)、筋肉の反応を抑え(過剰な働き)、非効率な動作様式をプログラムしてしまった神経をプログラムし直すのです。(その方法の詳細を「脳卒中リハビリに対するオステオパシーの応用」というセミナーで話しています。)

その全ての最初は解剖学を学ぶことからでした。スティルが「人間」を研究しつづけたように、私たちも「人間」をもっと良く知らなければなりません。


このセミナーはそんな人に対する探求に入る、最初の解剖という関門を突破することを補助するものです。


頭から足まで、身体に触る際に取り入れたい知識、イメージの持ち方をギュッと2日間に詰め込みました。


ぜひ多くの方と共有できることを楽しみにしています。